一般法務

解雇

解雇とは、会社からの一方的に従業員との労働契約を解除することです。
会社は解雇の自由(民法627条1項)を持っていますが、従業員としては生活ができなくなる可能性があり、重大な問題となります。そこで、法律上、解雇ができる場合が限定されています。



解雇の種類


解雇には次のような種類があります。


普通解雇

懲戒解雇以外の解雇をいいます。就業規則に、どういった場合に普通解雇できるかを記載しておく必要があります(労働基準法89条3号)


懲戒解雇

従業員のルール違反があった場合の制裁として、行われる解雇です。


整理解雇

普通解雇の一環で、会社の経営等の事情で多数の従業員に対して一斉に行われる解雇です。



解雇の場面で注意すべきポイント

退職証明書と解雇理由証明書

会社側は、解雇予告期間中及び解雇後、従業員の求めに応じて、解雇理由の証明書を交付しなければなりません(労働基準法22条)。
証明書の様式は、「退職証明書」又は「解雇理由証明書」が一般的です。

「退職証明書」と「解雇理由証明書」の違いは、
「退職証明書」が退職後に退職の事由を記載して発行するものであるのに対して、「解雇理由証明書」は、解雇が恣意的になされることを防止するため、解雇予告期間中であっても、従業員から会社側へ交付を求めることができるという点にあります(労働基準法22条2項参照)。

また、「退職証明書」は、解雇理由だけでなく、使用期間、業務の種類、その事業における地位及び賃金についての証明も記載するため、従業員の再就職先への提出があり得ます。
「解雇理由証明書」は、従業員が請求していない事項を記入してはならないとされているため(労働基準法22条3項参照)、従業員の再就職先への提出は通常は想定できません。

このように考えると、「退職理由書」において解雇理由を明示させる規定は、解雇の有効性を争おうとする従業員にとっては意味があるものの、解雇の有効性を争わずに再就職を目指す労働者にとっては弊害となり得るものです。

会社側としては、「退職証明書」の発行について従業員から相談を受けた労働基準監督官から、直接問い合せがあることを念頭において、解雇理由の明示方法を事前に検討しておくことが必要です。


退職証明書の記載禁止事項

会社側は、第三者と謀って、従業員の就業を妨げることを目的として、従業員の国籍、信条、社会的身分、労働組合運動に関する通信をしたり、「退職証明書」に秘密の記号を記入したりしてはなりません(労働基準法22条4項)。
例えば、ブラックリストを作成して関連会社へ回覧するなど、従業員の就業を計画的に妨げる行為は禁止されています。


退職後の金品の返還

従業員との労働契約が終了した場合、会社側は、権利者の請求に対して、原則7日以内に賃金その他当該従業員の権利に属する金品を返還しなければなりません(労働基準法23条)。
退職金も賃金に該当しますが、就業規則での定めが優先しますので、退職金の場合、就業規則に「退職後1ヵ月以内に支払う。」等、ある程度余裕をもった期間を定めることが多いです。

解雇の場面で生じるトラブル事例


解雇と慰謝料請求

一方的労働契約の解消である解雇を受けた労働者からは、その有効性を争うとともに、精神的苦痛を受けたことを理由として慰謝料を請求される事例もあります。
しかし、今日の裁判の傾向は、慰謝料が認められるのは例外的で、未払賃金等をもってしても償いきれない精神的苦痛が労働者に生じたといえる場合に限り慰謝料を認めています(東京地判H18.11.29)。

例外的に慰謝料請求が認められ得る事情としては、
・ 会社側が懲戒解雇すべき非違行為が存在しないことを知りながらあえて懲戒解雇とした場合
・ ずさんな調査、弁明の不調種などによって非違事実を誤認して懲戒解雇とした場合
・ 懲戒処分の相当性の判断において明白かつ重大な誤りがある場合
などです。


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