一般法務

外国人の労働問題

外国人を雇用するという選択肢

世界のグローバル化が進み、街中で外国人を目にすることも全く珍しくなくなりました。
新型コロナウィルス禍が生じる前までは、年々訪日外国人の数は増えており、2019年には年間約3188万人を超えました。
2009年には約670万人だったため、10年間で約5倍にも上っています。

このように、日本を訪れる外国人は増加しており、これに伴って日本で稼動する外国人も増加しています。
日本では少子高齢化によって、人手不足に悩む企業が数多くあり、この問題の解決として外国人労働者を採用する必要性・有用性が高まっていると言えます。

もっとも、外国人を雇用する場合、日本人を雇用するのとは異なる点が多々あり、注意を要します。



外国人を雇用するための流れと注意点


1 在留資格の確認、取得指示

日本人と異なり、外国人を採用する際には就労を可能とする在留資格を当該外国人が有している必要があります。これに反して外国人を就労させた場合、企業側も不法就労助長罪として3年以下の懲役又は300万以下の罰金が課される可能性があります(入国管理法73条)。
この在留資格の典型例が就労ビザと呼ばれるものになります。
したがって、採用する際には在留カード等によって在留資格を確認する必要が有ります。
また、もしもまだ就労ビザを有していない場合には、申請の上取得をしてもらうように働きかける必要が有ります。


2 雇用契約内容の検討、締結

就労可能である在留資格を確認したら、これに対応する契約条件を検討する必要があります。たとえば、就労予定期間などは在留期間に応じて検討する必要があります。
また、在留資格の確認の際に、就労ビザが未取得であった場合には、雇用の条件として就労ビザを取得することを明記しておくべきです。
雇用条件については、外国人であることを理由に、日本人労働者と不当に差別的な取り扱いをすることは禁じられています。また、雇用契約書を取り交わす際には、雇用される当該外国人が理解できる言語を交付することで労働条件を明示する必要があります。


3 届出

外国人を採用した場合、雇用した者の氏名、在留資格、在留期間などを届け出る必要があります。この届出を怠ったり、虚偽の内容を届出たり場合には、罰金の対象となる可能性がありますので、注意が必要です。


4 社会保険への加入

外国人であっても、日本人労働者と同様に各種社会保険への加入をしなければなりません。
外国人労働者はこれらの日本の保険制度をきちんと理解していないことが珍しくないため、企業側はこれらの保険がどのようなときに利用できるのかを説明する必要が有ります。


5 就業規則等の周知

外国人労働者は、日本の労働法令や企業の一般的な就業規則も理解していないことがほとんどです。
そのため、つつがなく就労をしてもらうためには、これらの事項を適切な方法で周知する必要があります。また、安全管理のため、必要な日本語の教育についても努める必要が有ります。


外国人労働者の雇用には万全の準備を

上記のとおり、外国人を雇用する場合、日本人とは異なる各種の制限や届出が必要となり、これらに反すると罰則が課されることもあります。
特に、日本語によるコミュニケーションが難しい外国人の場合には、これらの制限を理解しているか、労働条件などを勘違いしていないかなどについて、細やかな配慮が必要となります。
逆に言えば、これらの手続きや制度を守っていることを示せれば、仮に何らかのトラブルが生じたとしても対処が可能です。

そのため、外国人を雇用する場合には、事前に必要な手続き内容や書類について、専門家の助言を得て行うべきです。
外国人の雇用を検討している場合には、是非当事務所へご相談ください。


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