IT・EC法務

商標権をめぐるトラブル


商標とは、事業者の生産、販売、取扱い等であることを表すために、商品やサービスに付ける、事業者独特の標識をいいます。ECサイトにおいては、サービス名やロゴなどについて、商標登録という形で保護されます。


<トラブルの類型>

事業者としては、
① 商標権の侵害停止、侵害の予防を請求することができます(商標法36条)。
② 損害賠償請求をすることができます(損害額の推定-商標法38条)。
③ 謝罪広告の掲載の請求など、信用回復措置の請求をすることができます(商標法39条)。


また、商標権を侵害する行為を行った者に対する刑事罰もあり、商標権を侵害する行為を行った者は、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、又は、これらを併科(商標法78条)される可能性があります。
そのため、事業者としては、商標権を侵害する行為を行った者の刑事告訴も視野に、トラブル解決を図るべきです。


事業者が商標権侵害の警告を受けた場合



他の事業者から商標権を侵害しているとの警告を受けた場合、即座に商品の提供停止やサービスの停止をすることは困難ですし、商標権侵害が事実であるか疑わしいケースも散見されますので、商品の提供やサービスの停止に向けて、以下の検討が必要になります。



① 商標権の確認

他の事業者が主張する商標権が存在するのか、また存在するとして現在も有効に存続しているのかを調査する必要があります。



指定区分

商標には、商品やサービスの種類に応じて、第1類~第45類までの指定区分があります。指定区分が異なれば、商標権侵害にはなりませんので、双方の指定区分について確認が必要です。


更新登録料の支払い等の事情

他の事業者が更新登録料の支払いを失念していて、商標権が消滅しているという事態もあり得ます。他の事業者の商標権については、特許情報プラットフォームにて、確認する必要があります。


② 同一性、類似性の検討

商標の同一性、類似性は、商標権侵害が疑われる際に必ず検討を要する事項です。問題となる多くの例は、他の事業者に類似性を指摘される場合です。類似性の判断は、専門的な知識を要します。


③ 不使用取消審判、先使用権主張の検討

他の事業者の商標権を侵害している可能性が高いと確認できた場合でも、商標権取消審判、先使用権主張により、商品の提供停止やサービスの停止を免れることがあり得ます。


不使用取消審判(商標法50条)

他の事業者が、日本国内において、継続して3年以上当該商標を使用していない場合、事業者としては、他の事業者の商標登録の取消しを請求できます。他の事業者の商標登録の取消しに至った場合、商品の提供停止やサービスの停止を免れます。


先使用権主張(商標法32条)

他の事業者の商標登録出願前から、日本国内において不正競争の目的でなく、商品やサービスに、当該商標と同一の名称を使用しており、その商標が事業者の商品やサービスを表示するものとして、需要者の間に広く認識されているときは、当該商標と同一の名称の使用を続けることができます。


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