医療機関・医療法人関連法務

弁護士法人みずきが法務を通じて医療の現場を支えます。

医療行為は、人の身体、生命というかけがえのないものに触れる行為です。そのため、医療従事者は多くの法規によって責任や義務を課されています。
医療に関する法律で代表的なのは、「医療法」です。この法律は、主に医療機関の在り方について定めた法律です。
たとえば、医療機関の開設・管理に際し、医療の安全を確保するためにどのような体制をしかなければならないか、医療を受けたい人が医療機関に容易にアクセスできるための支援として、どのような情報を開示しておかなければならないか(医療機能情報提供制度)、広告に掲載していい事項、などが規定されています。
この他、医師法、薬剤師法、臨床工学技士法などの医療従事者の資格に関する法律、健康保険法や社会福祉法などの保険や福祉に関する法律、そして一般企業と同様に労働基準法など、多種多様な法規が医療機関に関係します。
また、法律だけでなく、日本医師会や厚生労働省による通達やガイドラインも数多く存在しています。
医療機関は、これらの各種法規を意識した組織体制を構築し、経営していく必要があります。 もっとも、医療従事者自らがこれらの法規をすべて理解し、現場に反映させるのは困難を極めます。

弁護士法人みずきでは、日夜の業務に奮闘する医療機関の皆様が、安心して職務に従事できるよう、日々の業務に関する法務のほか、院内マニュアルの整備、実際にトラブルが起きた際の対応、厚生局による個別指導の立会いにいたるまで、医療機関関連法務に幅広く対応しています。

契約法務

医療機関の契約法務においては、契約書の内容が各種法規に沿った内容であるか、法的な欠陥がないかという点だけでなく、その医療機関の運営において有益な内容であるかも意識する必要があります。医療機関には提携業者が多数あるため、弊所でも、医療機関からのご相談の中で契約書の作成やチェックが一定数あります。

その一方で、稀にですが、契約法務を重視していない医療機関もあります。
たとえば、長く地域に根ざしている医療機関の中には、長期間にわたって継続的な契約関係を続けているうちに契約の実態と契約書の内容がずれてしまっていることがあります。
他にも、契約書を紛失してしまった、もしくは契約書を作成していない、といったことがあります。このような医療機関は注意しなければなりません。なぜなら、長期にわたって業者と良い関係を築いている医療機関にも、世代交代などで転機が訪れることがあるからです。関連業者との関係性の変化に備えて、その後もいい関係を継続できるよう、契約書類を整備しておくことは重要です。

今まで一度も契約書を見直したことがないという方は一度ご相談ください。



人事・労務・労使問題

  • 院内でパワハラがあったとの申し出があった
  • 従業員を解雇したい
  • 従業員から未払い残業代を請求されている

労使問題に悩む医療機関は多いです。ひとたび紛争が顕在化すると、院の社会的な信用の低下にも繋がります。
労使問題の顕在化を防ぐためには、適切な労務管理体制を構築すること、使用者、労働者の双方が労務に関する適切な知識を有することが必要です。

医療機関の労務管理は一般の企業と比べて複雑です。医療機関の労務管理が複雑だとされる所以はいくつかあります。
1つ目は、複数の職種が在籍していて、それぞれ労働条件が異なる点です。
医療機関には多種多様な専門職が在籍しているうえに、同じ専門職でも就業形態が異なることすらあります。たとえば、医師でも、常勤と非常勤、当直のアルバイト、研修医など、様々な就業形態があります。それだけでなく、看護師やレントゲン技師、理学療法士など多数の専門職が在籍しています。これらを画一的な労働条件で管理することはできません。契約時にはそれぞれの就業形態に適した労働条件を用意して明示し、後々トラブルになることを防いでおく必要があります。
2つ目は、労働時間をいかに管理するかです。
一般企業は「今働かないと誰かが亡くなる」ということはありませんが、医療機関の場合はそのリスクがあります。患者さんはいつ何が起きるかわかりません。そのため、医療機関は、患者さんの受け入れ体制を整えつつ、同時に、従業員の労働時間の管理も行わなければなりません。中には労働時間の管理を軽視してしまう医療機関もあります。しかし、それは多額の残業代請求を受けるリスクを負っているということに注意する必要があります。
3つ目は、労務管理の責任者が医師であるという点です。
労務管理は、労働法上の管理・監督者にあたる人が行う責務を負っています。
一般企業の場合は、労務管理のための部署や職員が在籍していて、その責任者が管理・監督者にあたります。その一方で、医療機関の場合は、各科の責任者つまりは医師が労働法上の管理・監督者にあたります。しかし、そういった立場の医師は沢山の患者さんを抱えて、休みもないほど精力的に活躍している方がほとんどです。そのため、管理・監督者にあたる地位にある医師が労務管理までを行う余力がないケースは少なくありません。中には、自身が労務管理を担う責務を負っているという認識すらないということもあります。
しかし、昨今、過重労働やパワーハラスメントなど、労務に関する社会的関心が高まっていますので、医師も労務について最低限度の知識を有しておくことが大切です。役員や従業員を対象とした研修やセミナーを行っておくことで、トラブルが生じることを未然に防ぐことができます。

弁護士法人みずきでは、日々の労務関連のご相談から、実際に労使問題が生じた際の対応、院内マニュアルの作成、従業員を対象とした研修・セミナーの実施に至るまで、幅広く医療機関の人事・労務に関する法律問題に対応しています。

クレーム対応・トラブル対応

  • 院では対応しきれないクレームがある
  • カルテの開示を求められたが開示してもいいのかわからない
  • クレーム対応マニュアルを作成したい

「医師の対応が悪い」「待ち時間が長い」「治療費の計算が間違っている」「治療したにもかかわらず治っていない」など、医療機関にも様々なクレームがあります。
中でも、治療行為や医師の判断に関するクレームは、医療過誤事件にも繋がってしまうため、慎重に対応しなければなりません。クレームの内容を把握し、事実関係を確認したうえで、その後の対応を決める必要があります。
また、時折、患者やその親族から医療記録等の開示の依頼が入ることがあるかと思いますが、開示の依頼を巡って院側がかかえる悩みは多いです。
医療記録等の開示の依頼は、開示に応じないことでその後のトラブルに発展することもあることから、応じていい、応じなければいいと一概に決めてしまっていいものでもありません。
中には、患者さんが亡くなったようなケースで、一部の親族はカルテの開示を希望しているけれども他の親族は反対しているなど、開示に応じることでトラブルに発展しないかを慎重に検討したうえで対応しなければならないこともあります。
このような医療記録等の開示の要請は、直接医師にくることは稀です。多くは、受付、医事課、文書課など、医師ではない従業員が対応することになります。従業員がどう対応していいかわからずあしらってしまうと、クレームに繋がることもあるため、院として原則どういう対応にするか、その場合どのような手順で本人確認をとるかなど、院内規則で定めておく必要があります。

弁護士法人みずきでは、クレーム対応に関するアドバイスや、院では対応しきれない案件の対応、対応マニュアルの整備に至るまで、幅広く対応します。

医療法人のM&A・事業承継

  • M&Aにより効率的に増床をはかりたい
  • 院長が高齢のため退任を考えているが後継者がいない
  • 経営がうまくいっていないため経営母体の大きな院に経営を引き継ぎたい

近年、院長の高齢化、後継者不足等で医療機関を廃業するケースが増えてきています。
しかし、医療機関を廃業させるとなると、患者や地域からの反対等、難航することが多いです。
そこで、廃業よりもメリットがあるのがM&Aです。
医療機関のM&Aでは、買収する側・売却する側の双方にとってメリットがあるのが特徴です。
まず、売却する側にとっては、売却益を得ることができるため、廃業するよりも金銭的なプラスがあります。
一方で、買取する側のメリットは、新規に設立するよりも手続き的な負担を減らすことができるという点がありますが、何よりも大きなメリットといえるのは、効率的に病床数を増やすことができる点です。
医療機関は地域から割り当てられている病床数があり、その数に応じて患者を受け入れることができます。したがって病床数がその病院の規模といっても過言ではありません。しかし、病床数は地域毎に行政によって管理されており上限があるため、たとえその医療機関が増やしたいと思っていても簡単には大幅な増床が見込めないのが現状です。ところが、M&Aの場合はその院が有していた病床数を獲得できるため、効率的な増床が可能になります。 もっとも、医療機関のM&Aは、一般企業のM&Aより複雑なため、ある程度の準備期間が必要になります。
たとえば、医療法人の持分の払い戻しは、旧法人(平成19年4月以前に設立された法人)か新法人かで異なってきます。旧法人で、なおかつ法人設立当時より財産価値が上昇している場合は注意が必要です。医療機関の性質にもとづいて、慎重にスキームを選択しなければなりません。
また、定款(寄付行為)の変更等、行政の許認可が必要な手続きも含まれるため、それらの手続きにかかる期間も考慮しなければなりません。そして、一般企業同様にデューデリジェンスは不可欠です。
このように、医療機関のM&Aでは、一般企業のM&Aよりも手続きにかかる期間を見越して進める必要があります。

医療機関のM&Aを検討中の医療機関の方、是非一度ご相談ください。

介護施設関連法務

  • 施設内で事故が起きた
  • 職員から残業代の請求を受けている
  • 誤嚥性の肺炎により亡くなった入居者の遺族から訴えられた

高齢者の増加にともない、介護施設やシニアマンション等が増えています。医療法人の中にも、急性期の患者の受け入れに病床をあけておくために、介護施設を傘下に加え、患者の状況に応じて相互に移管しつつ運営しているところが増えています。そのため、介護施設と密接な関係にある医療法人も少なくありません。
また近年、介護施設では、入居者と従業員のトラブルや、従業員の労使問題などについての報道が目立ちます。紛争の顕在化を未然に防ぐためには施設内での事前の対策が不可欠です。

弁護士法人みずきでは、過去事例をもとにした入居者の安全管理に関する勉強会や、役員・管理監督者を対象とした労務管理に関するセミナー、そして実際に紛争が顕在化した場合の対応に至るまで、幅広く対応しています。

指導・監査への対応

  • 個別指導の通知が届いてしまった
  • 院内で指導・監査に関する対策や指導をしてほしい
  • 個別指導・監査に帯同してほしい

「指導」「監査」に対する準備や対策は必要です。
多くの医師や医療機関は、患者のことを思い、適切に診療を行っているため、例え指導を受けることになったとしても、「何も不正は行っていないから大丈夫」と考えてしまいがちです。
しかし、療養担当規則や診療報酬点数表はかなり細かい規定となっており、故意に不正を行っていなくとも、何らかの不適正な取り扱いをしてしまっていることは少なからずあります。もしそれらが個別指導や監査によって明らかとなった場合、最悪の場合には保健医療ができなくなってしまいます。または、取消処分にならないとしても、個別指導や監査が続くことによって、時間と労力を割かなければならず日々の業務に支障が生じたり、中には苛烈な指導で精神的に追い詰められてしまうケースもあります。
このような状況に陥ることを避けるためには、周到な準備と適切な対策が必要です。
もっとも、個別指導や監査は、弁護士を帯同することができます。時折、弁護士を連れていくと行政官の対応が硬化するのではないかと心配なさる方もいますが、実際は弁護士が帯同することで、調査側の対応が柔軟になることも珍しくありません。

弁護士法人みずきでは、個別指導や監査の事前の準備・対策から、通知がきた場合の帯同にいたるまで幅広く対応しています。


法人設立、定款(寄付行為)・内部規約の作成

医療法人であることの最大のメリットは分院設立などの事業の展開が可能になる点です。
医療法人でない場合、病院等の管理者である者は、行政の許可がなければ他院の管理者にはなれないと医療法で定められています(医療法12条2項)。ここでいう行政の許可とは、その医療機関の所在が無医地区である等の特殊な要件を満たさなければならないため、原則として個人病院を経営する医師は、分院を持つことはできません。
医療法人となることで、分院をもつ、訪問看護ステーションをつくるなど、多角的な経営が可能となります(医療法42条)。したがって、その特定の地域で幅広く活動したいという院の経営者は法人化を望まれます。
もっとも、医療法人を設立するためには、役員として理事三名以上と監事一人以上を選任し、定款(寄付行為)を作成し、行政に設立の許可を受ける必要があり、思い立ったら即実行できるというものではありません。
法人化に向けて、院内の内部統制を整えるなど、事前に準備をしておく必要があります。

医療法人化をお考えの方、定款(寄付行為)などの作成・変更をお考えの方はご相談ください。

医療訴訟・医療事故

  • 患者から医療過誤だとクレームがあった
  • 証拠保全の際、アクシデントレポート・インシデントレポートの開示は必要か
  • 執刀中に死亡した患者について警察が取り調べをしたいと言っている

医療機関を相手とした医療訴訟は年々増加傾向にあります。
これは、インフォームドコンセントをはじめとした医療を受ける者の意思決定に重きをおく社会の風潮や、医療機関の増加やインターネットの普及によって医療を受ける者が専門的な知識にアクセスしやすくなったことによるため、今後も増加することが見込まれます。
医療事故が生じ、それが過失によるもの(医療過誤)であった場合、民事上の責任、刑事上の責任、行政上の責任の3つを負う可能性があります。
医療事故への対応は、スピーディに誠実な対応をすることが重要となり、医療機関にとって対策が不可欠となります。

弁護士法人みずきでは、医療事故に備えた院内対策から、医療訴訟に発展した際の対応に至るまで幅広く対応します。

医療費の回収

  • 治療費を滞納している患者が複数いる
  • クレームをつけて治療費を支払わない患者がいる
  • 効率的に未収の治療費を回収したい

医療費の回収に悩む医療機関は多いです。
また、最近ありがちなのは、「治っていない」等を理由に支払えるにも関わらず支払わない患者です。では治らなければ医療費は払わなくていいのかというと、法律上はそうはなりません。なぜなら、診療契約は、民法上では結果に責任をもたなければならない「請負契約」ではなく、診療という手段を提供することに責任をもつ「準委任契約」だとされているからです。したがって、診療を受けているのであれば、医療費を払うべきということになります。
医療費の未収は、1件1件はそこまで多くなくても、数が多いと莫大な金額になります。それが高額医療だとなおさらです。医療機関としては、経営にも影響するため、積極的に解消に取り組まなければなりません。
たとえば、医療費の未収を防止するために連帯保証人を設けるなどの対策を講じている医療機関が近年増えています。それでも医療費の未収を完全に防ぐことはできません。未収が生じた場合は、定期的に督促する、内容証明郵便を出す等、組織全体での仕組み作りが必要です。

弁護士法人みずきでは、未収の医療費を回収するための仕組み作りのアドバイスから、なかなか支払われない医療費の回収等、幅広く対応します。

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