医療機関に関する主な法律

医療機関においては様々な法律が関係してきます。
ここでは、簡単にそれらの法律を紹介していきます。

医療に関する法律

医療法

広く「医療」に関する事柄を規制するための基本的なルールを定めた法律です。
医療は、国民の健康や生命に密接にかかわる事項であり公益性が高い一方で、場合によっては健康や生命を害する恐れもあります。
そのため、患者の権利や医療の安全確保に関する事項、医療施設の開設・管理・監督に関する事項等を定めています。
また、これらの定めに反した場合に備え、罰則の定めも置かれており、医療機関を開設、運営していくに当たって、まず最初に遵守すべき法律といえます。


薬機法

従来「薬事法」と呼ばれていたものが改正され、医療機器、特に再生医療についての製品の規定が盛り込まれました。
薬やその他医療機器は、医師による治療を支える大切なものであり、これに不備があれば当然医療効果が出ないばかりか、却って悪化させてしまいます。
医薬品や医療機器の有効性および安全性の確保のために、規制しています。

医療従事者/福祉従事者の資格に関する法律

医師法

上記のとおり、医療は健康や生命に関することであり、高度に専門的です。
そのため、医療を行える者については免許制を敷くこととなっており、これを規制しているのが医師法です。
また、医師の義務についても定められており、これらに反した場合、業務の停止や医師免許の取消し等の処分がなされることがあります。


保健師助産師看護師法

医療については医師が行いますが、当然医師だけで完結するものではなく、医療従事者が必要となります。これらは、医療と同等に高度の専門性を持っていることから、医師と同様免許制となっています。
本法律は、名前のとおり、保健師、助産師、看護師がそれぞれできる業務の範囲や資格を得るための要件等を規定しています。


看護師等の人材確保の促進に関する法律

病院等の医療機関において、適切な治療が行われるためには、高度な専門知識を有する医療従事者が十分に確保されることが必要となります。
そのため、本法律では、十分な環境を確保できるように、国や地方公共団体そして病院等がそれぞれ、どのような責務を負うかについて規定されています。


薬剤師法

医師や薬剤師と並ぶ、健康や生命に直結する「薬」を扱うためには、高度の専門性を有する必要があることから、免許制となっています。


理学療法士及び作業療法士法

病気や怪我の治療のためには、手術や投薬のほか、リハビリテーションを行う必要があります。これらの理学療法、作業療法についても、国家資格として法律に定めがあり、免許を受けなければできないこととなっています。


社会福祉士及び介護福祉士法

人口の高齢化により、医療機関による直接的な治療のみでは、福祉ニーズに対応できなくなってきました。
そのため、社会生活や介護に関して、患者からの相談を受け助言や指導を行う、社会福祉士及び介護福祉士が必要となります。
本法律では、これらの資格を取得するための要件や負うべき義務を規定しています。


保険、福祉に関する法律

介護保険法

かつてのように自宅による介護が困難になってきたことから、要介護認定等の保険制度を制定し、それぞれの能力に応じた保健医療サービスや福祉サービスを提供できるよう規定している法律です。
医療機関としては、保険適用を過たないように行うほか、要介護認定の際に意見書を作成するなど、係わり合いの深い制度です。


老人福祉法

高齢化社会において、老人福祉の定義及びこの普及、向上を規定している法律です。
ホームヘルパーの増員やデイサービス事業、特別養護老人ホームなどの整備やその設備の規制等をしています。


社会福祉法

医療機関が社会福祉事業を行うことも増えてきましたが、これらの事業を行うためには、原則として社会福祉法に準拠した社会福祉法人を設立する必要があります。


児童福祉法

児童福祉法は、文字通り18歳未満の児童の福祉を推進する法律ですが、医療機関との関係では小児医療について関連があります。
児童福祉法では、小児慢性特定疾患について、指定医療機関を定めることができ、当該医療機関の診断書をもって医療費の助成をすることとしています。
そのため、小児慢性特定疾患の指定医を受ける場合には、特に本法の参照が必要となります。

労務に関する法律

労働基準法

医療機関であっても、医師や看護師、その他職員との間には雇用契約(労働契約)が締結されるのが一般的です。
そのため、労働基準法による規制に服します。
とりわけ、夜勤や当直等を行っている医療機関においては、労働時間の管理や割増賃金の計算等に注意をする必要がありますし、医師らによる「勉強会」等のどこまでを労働時間と判断すべきかなど、検討が必要な事柄がたくさんあります。


労働者災害補償保険法

上記のとおり、勤務している者が労働者である以上、労災保険の加入が原則として義務となります。
また、いわゆる「労災隠し」は、別途労働安全衛生法違反として使用者側に刑事罰が課される可能性もあるものですので、どのような場合に労災保険が適用されるのか等、しっかりと確認をする必要がある法律です。

その他ガイドライン

医療広告ガイドライン及び医療機関ホームページガイドライン

これらはどちらも、医療機関の広告やホームページ上の表現について、指針を示しているものです。
医療法上にも、広告規制はありますが、法律の規制はどうしても抽象的になっています。そのため、この規制をより確実に浸透させるために、厚生労働省がガイドラインを策定しているのです。
どのような表現が誇大広告・虚偽広告として禁止の対象になるのか、具体的症例はどのように掲載可能か等、広告を出す医療機関は参照が必須となるものです。

以上のほかにも、様々な法律や規則、ガイドライン等が医療機関にはかかわってきます。 少しでも疑問がある場合には、転ばぬ先の杖として、弁護士にご相談ください。


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